【大学受験】東京外大生が使った英単語帳

センター試験の季節である。

 

試験の合間には乃木坂の写真集を読むことを強くお勧めする。

いつの時代も美女は最高の精神安定剤である。

 

今回は英単語帳を東京外国語大学英語科の現役学生、エジルの独断と偏見で紹介する。

 

はっきり言って単語帳業界は有象無象で、神単語帳からただの古紙まで幅広く存在するし、それを紹介するブログも掃いて捨てるほど存在している。

 

ただこのブログは出版社等から一切の袖の下を受け取ってないので、大手塾だろうが大手出版社だろうが忖度はしない。

単語帳選びに迷ってるそこの君も、金儲けに走った大人のステマに騙されない純粋な心を、合格後も持ち続けて欲しいものである。

 

大前提として、英単語の数と人間の記憶能力の限界より、全ての英単語を覚えることは不可能である。

日本語ネイティブであろう君も、全ての漢字を覚えていないのと同様に、英語ネイティブも全ての英単語を覚えていないし、そもそも受験英語でそこまでの語彙も要求されない。

supercalifragilisticexpialidociousなんて大学受験で覚える必要なんて一切無いのである。

 

ということで、効率的に志望大学に合わせたレベルの語彙を習得することが必要であり、それによって使うべき単語帳も変わってくる。

身の丈に合わない単語帳を使って周囲の受験生を威圧したい気持ちも理解出来るが、そういう奴が一番滑る。

 

次に大事なのが覚え方である。近年受験業界は4技能4技能うるさいが、試験方法は別にして4技能の重要性は否定しがたい。

単語一個覚えるにしてもreading, listening, speaking, writingの4通りのアプローチが存在することを認識して欲しい。

愚直に書くのが覚えやすいのか、CDで聞く方が覚えられるのか、自分にあった方法を早い段階で見つけるのが肝要である。

ちなみに自分の覚え方としては、ペラペラめくって単語の形を覚えるようにしていた。

意味については英英辞典を参考にして、日本語と一対一対応させるというよりは、英単語そのものが持つニュアンスを掴むことを大事にしていた。

形だけ覚えると、スペルや発音 が疎かになるという点が欠点として指摘され得るが、発音とスペルの関係については基本的な原則さえ覚えていればスペルを見れば発音が分かり、発音から単語を綴る復元作業も可能であるので、発音記号等についても学ぶとより効率的な単語学習が期待される。

 

難易度と覚え方、この2つを基準にして英単語帳を選ぶと良い。

 

前置きが長くなってしまったが、そろそろ英単語帳を批評していく。

ただ、自分が使っていないものまで叩くのは自分の主義に合致しないので、自分が使用した単語帳のみを取り上げる。

 

<1> 駿台文庫 システム英単語

 

システム英単語 (駿台受験シリーズ)

システム英単語 (駿台受験シリーズ)

 

 

自称進学校あるある、学校配布の単語帳である。余談であるが現在母校ではターゲ●トが配布されているらしい。

さすが大手の旺●社、マネーゲームがお強い。

 

レベルとしてはセンター試験対応レベルといったところであろう。

これでMARCH以上を目指すなら心許ないが、センター試験まではこれ一冊で充分な単語のチョイスである。

小さい赤シートが付いているので、敬虔な赤シート教徒にとっては聖書のような存在。

 

特徴としてはミニマル・フレーズといって、単語を用いたフレーズで覚えようという趣旨の単語帳である。

コロケーションも同時に学べるのはありがたい設計だが、個人的には余分に感じた。

意味が複数ある単語も当然存在する訳で、1つのフレーズとして押し付けられることで、別の意味であったりそこからの拡がりを学ぶには結局辞書を引く必要がある。

フレーズはあくまで1つの使用例であるので、単語だけポンっと紹介してくれた方が合理的に感じた。

後ろの方にある多義語の章は有用だった。数多の単語帳の中、多義語をまとめて紹介してくれる単語帳は多くない。

 

まとめ:センターレベル、赤シート信者・フレーズで覚えたい人向け、多義語の章は使える

 

<2>角川学芸出版 鉄録会東大英単語熟語 鉄壁

 

鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁

鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁

 

 

白の単語王、黒の鉄壁と難関受験者を二分する片割れの1つ。正直ポケットモンスターブラック・ホワイトみたいなものなので、どっちを選ぶかは好みの問題。単語王使ったことないから知らんけど。

 

鉄壁が優れているのはただの単語帳に留まらず、熟語もしっかり扱っていること、そしてイラストが豊富であることである。

システム英単語の悪いところはレイアウトもシステマチックで、周回しているうちにこの単語の下に書いてある単語は◯◯◯だ!という感じで、クソみたいな方法で記憶が定着することがある。

しかし鉄壁は熟語やイラストが入ったりで、上のような覚え方をしてしまう恐れが無い。

特に前置詞のイメージをイラストで紹介しているのは優秀で、英語の前置詞の用例を日本語で理解するには限界がある。

そこでイラストを通じて前置詞のイメージを理解すること、すなわちネイティブの持つ前置詞の感覚を掴むことで英語力が格段に伸びる。

語源や接頭辞接尾辞も紹介されているのも、未知語類推には役立つ。未知語類推についてはまた後日。

 

ただ、紹介されている英単語のレベルはさして高くない、東大志望者で東大英語の単語で詰まるようならば色々考え直せ。

東大レベルの英単語であって、早慶上位学部や国際系の難関大学で出るようなマニアックなものまでカバーしている訳ではない。

英語を得点源にしたい、国際系の学部を受けたい人はさらに上の単語帳をお勧めしたい。

 

まとめ:早慶以上志望者向け、豊富なイラストと分かりやすさ

 

<3>旺文社 実践IELTS英単語3500

 

【音声ダウンロード付】実践IELTS英単語3500

【音声ダウンロード付】実践IELTS英単語3500

 

 

さらに高みを目指すならば、もはや受験用英単語帳では対応が効かない。

TOEICとかいう塗り絵大会用の単語帳ではなく、やはりIELTSやTOEFL用の単語帳を使うしかない。

 

自分はイギリス留学の経験もあって、IELTS向けのこの単語帳を使っていた。

レベルとしては文句無しで最上級、大学生の今でも覚えられてない単語が残っているくらいだ。

レイアウトも無機質だが、一周回ってこれくらいシンプルな方が個人的に使い勝手が良い。

正直これを完璧に覚えるにはオーバーワークかもしれない。

ただ、国際系の難関大学を志望するならこのレベルの単語帳を眺めておいて損はない、ここまでやるなら受験英語アメリカ英語である以上TOEFL用の単語帳の方が良いとは思うが。

 

まとめ:英語ガチ勢、イギリス英語話者向け

 

 

たった3冊ではあるものの、自分が使った英単語帳はこんなもんである。

たった3冊やれば東京外大であろうが早稲田であろうが、合格出来ると考えることも出来るのであり、覚えた英単語を読む書く聞くといった感じで、英単語のその先の使い方が何倍も重要なのである。

限られた自分のリソースをどう割いて行くのか、上手くバランスを取りながら英単語学習を進めて欲しいものである。